フランチャイズ本部は儲かるらしい。
あくまで本部だけの話だ。
「フランチャイズ経営は、5年後の事業生存率が60%。自己経営での5年後の事業生存率は15%」という数字で、フランチャイズの優位性があらゆるところで語られている。
しかし、マクドナルドなど大手でも、フランチャイズオーナー店舗の90%以上が赤字経営らしい。
ここで不思議なのは、5年後の事業生存率が60%以上というが、赤字が5年続いても経営は成り立つのだろうかということだ。
「3年連続で赤字経営の企業には、まともな銀行は融資してくれない」とある知人が言っていた。(闇金は別です・・・笑)
高い事業生存率と多数の赤字経営という二つの要件は、本来両立しないはずだ。
上記のフランチャイズの事業生存率の高さをほめる言葉をいたるところで目にした。
それを元にフランチャイズ契約を勧めるサイトが多いが、単なるアフィリエイトサイトなのだろう。
ある質問サイトのアンサーで、契約期間中に廃業すると莫大な違約金を取られると書いてあるところがあった。
ここにカラクリがありそうだ。
生きるしかばね状態であるにもかかわらず、契約のしばりで廃業できず、毎年赤字を累積させていくならば、5年後の事業生存率に何の意味があるのだろうか?
例えて言うと、90歳の寝たきりでほとんど意識のない老人を、点滴や薬剤、時にはAEDを使って、無理矢理延命させているようなものではないだろうか?
逆に、最近読んだ「リーンスタートアップ」の観点からいうと、創業時の見込みが間違っていると判明した時点で廃業して、別の事業で改めてやり直すほうが、再起できる確率が高いはずだ。
FX取引と同じで、早めに損切りして傷を浅く抑え、投資戦略を練り直してから再度エントリーすることが大切だ。
このように考えると、自己経営での事業生存率が低いこともデメリットではない。
危ないと思ったときに、自分の意志で廃業できるのだから。
フランチャイズ契約で、それが可能になっているのだろうか?
赤字が増えていくのに廃業できないなんて、地獄のような悪夢は考えただけで恐ろしい。
あるサイトでの書き込みで、知り合いが何店舗も持っていて数千万円儲かっているので、失敗する人は努力しなかったことを本部のせいにしているというものがあった。
別の書き込みでは、儲かっているオーナーはもともと土地持ちで自分の土地にマンションをたてて、その一階をコンビニなどのフランチャイズ店舗にしているとあった。
そうだとすると、経費負担はほとんどないし、借金するにしても担保があるから低金利で借りられる。二階以上を賃貸にすれば、別収入になる。
こんな恵まれた人は少数であり、90%以上の店舗が赤字なのも納得できる。
こんなものをモデルケースにされてはたまったものではない。
数百万円程度の貯蓄をつぎ込む人や、借金をしてフランチャイズに加盟する人はどうなのだろうか?
成功している人の開業時の資産とか、自分の土地に店舗をもっているのかとか経営環境条件を全て検証する必要がある。
少なくとも覆面調査とか、直接オーナーから話を聞いてからでないと危険だ。
儲かっている人がいるということをFCの営業から聞いただけで、判断してはならない。
最近、私の田舎小都市にもコンビニが山ほどでき、中古買い取りやフィットネス、学習塾が進出してきた。調べてみると、すべてフランチャイズだった。
幸いにして(?)知り合いがFCに加盟したと聞いたことはないが、悲惨なことにならないことを祈るのみだ。