最近このブログのアクセス解析を見ていると、ある決まった記事にアクセスが集中している。
開業届の書き方や、やよいの青色申告の開業費の入力についての記事だ。
私もそうだったが新年がはじまると、独立開業を考える人が増えるのだろう。
しかし事業の立ち上げに失敗して、せっかく開業したものの廃業せざるを得ないことは多い。開業したうち、1年以内に半分は廃業しているという統計もある。
廃業の決断は辛いが、よほどの幸運がないかぎりいったん傾いた事業を立て直すのは難しい。
仕切りなおして新たに貯金あるいは資金調達してから、再起した方がよい。
その時に障害になるのが、廃業するときの処理費用だ。
店舗をもつ飲食店が分かりやすいが、調理のための厨房・防火設備や内装のインテリアや空調など一般の店舗とは違う設備・備品を持っている。
店舗を明け渡す際には、入居する前の状態にしなければならない。
皿や花瓶などの調度品なら、リサイクル店で無料で引き取ってくれる可能性はある。
「居抜き物件」というのも最近多いが、最初からそういう賃貸契約にしていないと解約するときに「原状回復」をしなければならない。
厨房設備の廃棄とリフォームで、その費用は最低数十万円から数百万になるらしい。
廃業するということは、赤字が続き資金が底をついた状態、あるいは借金を返せなくなったということだ。それなのに開業するのに匹敵する費用が廃業時に必要になるのだ。
開業するときには、開業費用のことだけしか考えない。
いざ廃業という時になって、廃業するにも大金が必要なことを初めて知り、パニックに陥ることになる。
廃業しようとしてもできなくなり、最終的にホームレスなんてことも多いらしい。
新年はおめでたいのだが、高揚した開業意欲を冷やさない程度には、冷静な資金調達と財務感覚が必要だ。