去年の12月にサラリーマン兼業で開業したいという相談を受けていた。
ECサイトを提供することを約束したが、その後連絡がなかった。
先日、飲み会でその友人と会う機会があった。
楽しい雰囲気を壊したくなかったので、こちらからは何も言わず、普通に世間話をしていた。
相手も開業のことは話題にしなかったので、友情を失うのが避けられたのでほっとしていた。
飲み会の終わりごろ、彼の親が年末に入院したことを知った。
そこで思い出したように、開業が遅れている言い訳をした。
開業届も出していないし、レンタルオフィスの契約もしていない。
開業届は調べながらでも30分で作成できるし、レンタルオフィスもすぐに契約できるはずだ。両方合わせても有給休暇1日で可能だ。
開業届を出せば税務署という公的な機関への手続きで自分の立場を明確にすることになるし、コストをかけて事務所を持つだけでも、気構えが変わる。
飲み会に来るくらいだから、親の病気も生死にかかわるような病気ではないだろう。
いつから始めるかと確認したが、「すぐそのうち」と言われてしまった。
なんだかんだと理由をつけて先送りし、それっぽっちのことも進めることができない。事業スケジュールもない。
悪い友人ではないが、個人事業主として本気でやっていく気持ちがあるようには思えない。
”副業”で儲けて、税金を安くしたい程度の気分なのだろう。
私と同じと思い、気にかけていたのが馬鹿みたいだった。
自分で仕事を取ってくる、あるいは”自分で仕事をつくる”のは考えているだけではできない。自分で動くしか方法はない。
彼は親の病気と言う理由で開業が遅れていることを悪びれてもいない。
彼は自分自身を過大評価しているが、サラリーマンを続けるのが無難だ。
直接そのことを言うことはなかったが、決断が必要な自営業に向いていないのは確かだろう。
いまも連絡待ちになっているが、いまだにメール一本来ない。
このまま、開業の話は忘れてあげるのが友情というものだ。