先日、企業の倒産が22年ぶりの低水準という新聞記事を見た。
消費税増税にもかかわらず、「アベノミクス」効果で倒産件数が減ったという内容だった。
今までの記事で何度か書いているが、私の住む地方都市は中小企業の閉店が相次いでいる。
実際に目にしている状況と違いすぎる記事の内容に、素直に納得はできなかった。
東京や大阪などの大都市は景気が良いそうなので、日本全体で平均してしまうと悪くはないのだろうと何となく理屈付けをしていた。
MSNのトピックで、中小企業の「隠れ倒産」が10年で倍増という記事をみかけた。
最後まで追い込まれる前に、「自主的に廃業」する中小企業が増えたのだ。
実質的には倒産である。
デフレが20年も続くと、昔より倒産・廃業というものに対する拒否反応が薄くなり、廃業しやすくなったのかもしれない。
しかし、実質的に景気が回復したとはいえないという状況も明確だ。
田舎では、顧客が近所の人や親類だったりして、「廃業」というだけで村八分のようになり、そこに住めなくなる。
倒産ではないが、私も一時的に無職になったことがあるが、そのときの近所の人たちの手のひら返したような態度は忘れられない。
今も人間不信を払拭できていない。
おそらく統計上では、「自主廃業」は「倒産件数」にはカウントされないのだろう。
現実には倒産件数が減ったというのは、統計上の数字のマジックだったのだ。
しかし、世の中は「自分の見たいことにしか見ようとしない」人間で溢れている。
倒産件数が減ったことを根拠に、消費税を10%にされたらとんでもない事になるだろう。
祈るしかない。