廃屋の2階の一部に小さな台所だった設備があり、そこに水道がある。
電気ポットのお湯を沸かすとき、いつもこの水道を使う。
いつものように蛇口をひねった。
ぷしゅっという音とともにシャーベット状の塊をはきだした後、沈黙した。
水道に異物が混入して水が汚染されたかと軽いパニックになった。
シャーベット状の塊は灯りをうけて控えめに輝いていた。
そういえば今日は寒気のせいで、朝の気温はマイナスだった。
日中はそうではなかったが、寒いことには変わりない。
水道管が凍っているのだ。
熱いコーヒーはあきらめて、2ブロックほど先の自動販売機にいった。
その後、事務所で雑用をしていたが、このまま放置すると水道管が破裂するのではないかと心配になった。
小学生の頃、お祖母さんの家でやっていたことを思い出し、トイレの水を流したり、1階の水道も流したりして、水道管内の圧力を変化させることにした。
(推測通りの効果があるかは疑問だが)
1階から階段を上って台所を見ると、開放したままの水道の蛇口から水力が弱いものの水が流れでていた。
朝に凍結した後、日中の暖かさで大部分は溶けたが、陽の当らない場所を通っている部分がまだ凍結していたのだろう。
やれやれ、
水道にしろ鼠にしろ、手間のかかる事務所だ。(^_^;;;