事務所の近くに小さなパン屋がある。
若い30代前半の男性が経営している。
お客が入っているようではなく、商品であるパンをほとんど置いてない。
私が事務所に来る夕方から夜は仕方がないのかもしれないが、土曜の昼や日曜日も同じような状態に見えた。
夏の頃には駐車場に停めた自慢のブルーメタリックのスポーツカーのそばで、折りたたみ椅子に座ってituneで音楽を聞いているのをよく見かけた。
そのうち廃業するのではないかと思っていたが、年を越せずに廃業した店舗が多いのに、しぶとく今でも営業を続けている。
今日思い立って、はじめてそのパン屋に入ってみた。
商品はほとんどなく、アンパン数個と予約済みの食パンが7斤あるだけだった。
食パンには予約客の名前が貼ってある。
固定客のみに絞って営業しているのかもしれないと推測した。
会計の時にお店のポスターが目に入った。
”卵と牛乳をつかわないパン”という宣伝文句だった。
卵・牛乳・小麦粉を使わない 毎日のあんしんメニュー (タツミムック)
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固定客はアレルギーの子供や家族を持つ家庭だったのだ。
これなら大きく儲かることはないが、定期的に予約注文が入るだろう。
予約に絞っていれば売れ残りの廃棄コストがないし、材料も必要なものだけ仕入れすればよい。
効率的な調達が可能になる。
派手な自動車から暴走族くずれかとも思っていたが、きちんとした戦略を持ってパン屋をやっていたのだ。
見かけで判断せず、見習わなければならないと反省した。