サラリーマン仕事の新年のゴタゴタがやっと片付き、定時に退社できるようになった。
まだ夕方の薄明かりが残っているうちに事務所に着くことができた。
暖房をつけて、コーヒーを入れた頃、ドアの向こうから呼び声が聞こえた。
ドアを開けると背広を着て黒鞄をもった男性が立っていた。
「以前にもお伺いさせていただいたものですが・・・・」と言う。
いつだったか信用組合の営業が来たことがある。顔まで覚えてないが間違いないだろう。
「新年のご挨拶に伺いました」と彼は言った。
前回と同じくローンと積立を勧めてくる。
「いま仕事の案件がないのでローンも必要ないし、積み立てもできない。借金はないんだけど」と断りをする。
彼も最初から期待はしていなかったのだろう。
また伺いますと言って、帰って行った。
こんな怪しい個人事業を訪問するのは無駄だとは思わないのだろうか?
もう潰れたか確認しに来ただけかもしれない。(^_^;;;
難しいことは考えず、地道に足で基本通りの地元密着営業をしているのかもしれない。
営業の大変なところだ。そう思うと情がわかないでもない。
私は相手をしてもらえるだけ感謝すべきなのだろう。
無視されて話をしてもらえないのも不快ではあるのだから。
もし本当に独立して口座を作れるようになったら、彼のところに頼もうと思う。