厳密には仕事として依頼を受けたわけではないが、ネットワーク関係の技術的調査を頼まれた。
昔からの知人で、個人事業の名刺を配った一人だ。
夕食を奢ってもらいながら、簡単な説明を受けた。
営業用のプレゼンをするための技術的裏づけと、資料作成の下敷きになる検証結果が欲しいようだ。
LAN環境とインターネット環境さえあれば試験できるので、その依頼を受けた。
事務所だけでなく、自宅でも実施できる内容で、サラリーマン仕事の後にも可能だった。
相手の話の切り出し方から、報酬をもらえる話ではないことはすぐに察せられたので、お金の話はしなかった。
最初は顧客開拓が主になると想定していたので、持ち出しは覚悟していた。
相手も悪気があるわけではなく、彼の都合もあるにせよ、何割かは仕事に関わる機会を与えようという好意で話を持ってきてくれたのだろう。
これが具体的な案件になったときに、ネットワーク設定などの作業に関わらせてもらって、いくばくかのお金がもらえるかもしれない。
そこで知り合った人に、名刺を渡して営業もできるだろう。
そこに可能性を見出すしかない。
コネのないところから始めるるのは大変だ。