土曜日の休みを利用して、事務所予定の倉庫の2階部屋の片付けをした。
昔は工事会社の事務所として使用していたとのことで、エアコンや照明がそのまま使えるといわれていた。 確かにボロボロだが、最低限の設備は整っている。
倒産でもしたのだろうか。書類やカタログ、製図板など備品がそのままになっていた。
何年も放置されていた机や荷物を部屋の外に移動した。
処分は大家さんが行ってくれる予定だ。
ビニール袋にまとめられた荷物をどけると、そこは害虫の宝庫。ネズミやゴキブリの糞が散乱していた。
私が女性だったら卒倒していただろう。
食品でも入れていたのだろうか?
そこらじゅうに、似たようなビニール袋が多数置いてある。
本来こういうものの処理は大家さんがするべきだろうが、廃屋同然の建物にお金を使うことに及び腰だったので、頼むだけ無駄だろう。
なにしろ今日も私一人で片づけをしているのだから・・・
はじめから大家と喧嘩してしまうのは得策ではない。
交渉に時間を浪費するより、自分でやったほうがよいと判断した。
掃除道具とポリ袋を買ってきた。
埃まみれの虫の死骸と糞を、ほうきで掃いてポリ袋にいれた。
三流のホラー映画さながらの光景を処理したあと、改めて気がついたのが強烈な「異臭」だ。
最初は長い間掃除していなかったためだと思っていたが、虫の死骸と糞の臭いだったのだ。床にこびりついて、強烈な異臭を放っている。
これをなんとかしないと事務所として使えない。
自費で殺虫剤、バルサン、ねずみころりを買った。
除菌液と消臭洗剤も大量に買いこみ、水拭きモップで何度も何度も磨いた。
殺人的な猛暑日。
まだ空調の効かない狭い部屋で、ひとり床を磨き続けた。
暑さと渇きで意識が薄れて、何度か倒れそうになった。
何度も50m先のコンビニに逃げ込んで、冷気を浴びた。
夕方までかかって、何とか芳香剤で誤魔化せそうなレベルにはなった。
後はバルサンをたいて、明日の朝、続きを行うことにした。
これで、二万円もの予定外の経費がかかった。
物件はもっと隅々まで確認するべきだったが、礼金・敷金・保証人なしなので文句はいえない。
安いものには”理由”があるのだ。
これからもアクシデントがあるのではないかと思うと、暗澹たる思いになった。
あきらめなければ失敗ではない。そう自分に言い聞かせた。(ToT)