独立開業は資金調達と今後の景気動向を考えて、もう少し先に延ばすことにした。
ただ、漫然とタイミングを待つのでは芸がないし、起業家精神に欠けている。
ネット事業とネット販売を先行して始めることにした。
リーンスタートアップの実践として、事業可能性を検証しながら、方針を修正していく。
事業性がないと判断すれば、損失を最小に抑え、別のアイディアを考えるしかない。
部屋のどこかに隠れている「リーンスタートアップ」の本を探して、もう一度読み直さなければならない。(^_^;;
とにかく「時間を無駄にする」ことは絶対にしてはならない。
しかし、ネット事業を始めるには大きな問題がある。
ネットでの取引では、「通信販売業の電子商取引のガイドライン」と「特定商取引法」により、事業者の氏名・住所・電話番号などの情報を明示することが義務付けられている。
さすがに自宅の住所と電話番号を公にさらすと、家族に迷惑がかかる。
レンタルオフィスでよいので、ネット環境とFAXを設置できる事務所を確保しなければならない。
会社の行き帰りに立ち寄って、必要な作業だけを行い、後は自宅に持ち帰る。
ネット事業ならパソコンがあれば、どこでも仕事ができるから便利になったものだ。
さっそくレンタルオフィスを探したが、この地方都市にはひとつしかない。
駅前の便利な場所なのだが、デパートが潰れて10年以上経っている空きビルを利用している。
一番安いタイプは2坪の仕切りタイプで、専用の電話もFAXも設置できない。
インターネット接続はオプション料金である。
携帯電話の声は筒抜けでプリンタの騒音もうるさそうだ。
礼金と保証人がいらないことを考慮しても、サービスの乏しさを考えれば、高い料金設定をしていると思った。
今までの記事でも書いているが、不動産を探していた経験がここで活かされた。
何人かに不動産のことで情報を教えてもらっていたのだが、レンタルオフィスについてたずねてみたら、ありがたい話をもらった。
ある店舗の2階が空いていて、そこを3万円で貸してくれるという。
入り口は別で、電話もインターネットも設置してよいという。
もともと事務所にしていたが、事業縮小で今は1階の店舗のみしか利用していない。
駐車場も利用してよいとのこと。
掘り出し物は、こんな風に突然やってくるのだ。
今度、物件を見に行って、よければ来月から入居しようと思う。
やっと言葉だけではない、私の起業への道が始まった。