いろいろ迷っているが、事務所探しだけは続けている。
私の住む地方都市は、アベノミクスの恩恵を受けていないようで、中小企業の閉鎖が目立っている。独立開業には時期が悪いようだ。
しばらくは、FXとネット事業で副業をしながらお金を貯めるしかなさそうだ。
フランチャイズだけは、相変わらず増えている。
もしかして、廃業した人たちがフランチャイズで再起しようとしてるのかもしれないなどと想像してしまう。
事務所探しを続けている理由は、開業の準備というより、不動産の良し悪しの見分けがつくように目を養うためだ。
いざとなったときに、事務所選びで時間を浪費したり選択を失敗するわけにはいかない。
今日も、車を流しながら観察していたが、あいかわらず事務所や商店が閉店して、「テナント募集」の看板が増えている。
バス亭のある道路に面しているのに、2ヶ月間家賃無料というものもあった。
中を見たい物件がいくつかあるのだが、まだ不動産屋に連絡をとることまではしていない。ある不安というか恐れを拭い去れないからだ。
田舎の口コミ情報ネットはすさまじい。どこかでだれかが必ず繋がっている。
不動産屋も名前を名乗らない人間に物件を見せることはしないだろう。
名乗ってしまえば、私が事務所を探していることは不動産屋の世間話から始まって、親類・知人に知れ渡り、すぐに会社に副業のことも含めた独立開業を考えていることも知られてしまうだろう。
そうなると、自然と会社に居づらくなり、追い込まれた形で退職をよぎなくされるだろう。
少なくとも独立開業を激励するとか支援するとかという雰囲気の企業風土ではない。
裏切り者は辞めたいなら辞めろとでも言われそうだ。
不動産屋と交渉したり、有益な情報を引き出したりすることも、経営者として必要な能力である。
親しくなれば、紹介をしてくれることもあるかもしれない。
本当に決断したときまで待とうと思う。