「リーンスタートアップ」を読んだ。
私は今までビジネス書は、適当な奴が適当なことを書いているだけで、胡散臭くて読むのが嫌いだった。
それでもこの本を読んだのは、自分が起業するにあたりどういった方法論で望めばよいか、わからなかったからだ。(起業経験がないのだから当たり前だが)
5月のゴールデンウィークで大金がなくても時間があるので、起業に参考になる本でも酒を飲みながら読もうと思い、アマゾンで適当なキーワードで検索した。
途中で村上春樹の小説や、昔読みたいと思っていた書籍のことを思い出し、いろいろ寄り道して、何冊か注文した。
結局、ビジネス書は「リーンスタートアップ」だけになってしまった。
主に強調されているのは、「製品仮説」の検証である。
「事業計画は仮説から始まる」「この仮説は正しいと証明されていないし、単なる思い込みでまちがっている場合も多いため、なるべく早期に仮説の検証を行うことがスタートアップ立ち上げ時の目標」
「実用最小限の製品を提供してベースラインを設定し、エンジンをチューニングして理想に近づけていく」
検証さえできれば、誰も欲しがらない機能を多大な労力を払って完成させるという無駄をさけることができる。
実際の作業では、「ひとまとめに処理するバッチサイズを縮小したほうがいい」
ジャスト・イン・タイム方式のように、部分最適ではなく、全体で最適化する。
など、など。
トヨタの生産方式を基にしているので、どこかで読んだことがあることが多いとも感じた。ただ、この著作の特色は自動車の生産方式を、スタートアップ(起業)・プロセスに適用していることだ。
ベンチャーの環境が整ったアメリカを対象にしているから、日本での起業にどれだけ役立つかはわからない。
しかし、入門書としてはわかり易いと感じた。
タイプの違うスタートアップの例を挙げて理路整然と著述されているので、著者の主張する方法論を理解するのは難しくないが、同じようなことが何度も語られるので、後半はすこし読むのに飽きがきた。
読んで理解したからといって、事業が成功するわけでもない。
理論と実践は基本的に別物である。
これからの事業に参考になれば、2千円が無駄にならなくて済む、のかな?
- 作者: エリック・リース,伊藤穣一(MITメディアラボ所長),井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 360回
- この商品を含むブログ (91件) を見る