4月は新入社員の季節。
私がサラリーマンとして働く会社にも4人が入社した。
新卒もいるが、2人は30歳台の女性だ。
全員、業界素人で、手取り足取り教えてあげなければならない。
新しく入社しても社員数が増えるわけではない。
3月に6人が退職。4月中に2人が退職。
近いうちに3人が退職するという確実な噂を聞いている。
4月を挟んだ3ヶ月で、11人退職することになる。
景気が悪く辞めたくても辞められなかった人が、景気が改善して転職していったようだ。
私の勤める会社は、辞めたい奴は2ヶ月前に申し出れば辞めてよいという方針?を取っている。特に慰留するとか、引き止めることはない。
あっさりしたものだ。
幹部とか管理職は、また適当に頭数を揃えればよいとしか思ってない。
能力とか仕事の質のことは、あまり考えていないようだ。(命令するだけだから)
現場にとっては、また仕事を一から教えなければならず、それが数人集中したときの負担はかなり重い。
それでも、大体1年~2年で辞める人が多く。仕事のレベルの維持には、頭を悩ませている。というか、年々ミスが多くなりレベルが下がっている気がする。
前任者が普通にやっていたことを、「教えてもらってない」「知らないです」という返答をする人が多くなった。ある業務は、今のスタッフが誰も知らないというものもあった。
(安倍バブルとはいえ)好景気になって、これから利益を増やしていこうという時に、スタッフが辞めていくこの現象は何なのだろう。
結局、新人スタッフの教育に労力と時間をとられ、十分な利益を獲得できないまま、また不景気を迎えそうな気がする。(景気は循環するから)
その上、今回の新人が数ヶ月で辞めたりしたら、目も当てられない事態になる。
4/27の日経新聞にも、仕事はあるのに人員確保ができず倒産した建設会社の記事があった。
大規模化が常に正しいとは言わないが、企業が100名程度のところから30年以上も成長できないのは、なにか企業の内部に問題があるのだろう。
私が思い浮かべるのは、メキシコ・ブラジルなどの「100年近くずっと中進国」と呼ばれる国だ。
メキシコもブラジルも30年くらい前は経済破綻して、ハイパーインフレもあった。
好調と不調を一世紀近く繰り返し、先進国になれないでいる。
ブラジル通貨のレアルは数年前の半分のレートになっている。
ワールドカップの後、建設需要が終わったときに、またハイパーインフレにならないとはいえない。
資源も石油も人口もそれなりにあるのに、それを生かせず同じレベルから伸びることができない。
社会の階級化、不公正、富の偏在など、さまざまな要因があるのだろうが、上のレベルにステップアップするための「何かが欠けている」のは確かである。
ある知り合いが「永遠の中進国」と皮肉っていた。
企業にも同じような現象があると思う。
はじめから必要以上の利益率を望まず、安定的な経営を目指しているのなら、それもよい。
利益はできるだけ増やしたい、企業規模を大きくしたいと社員の尻をたたいているのに、30年同じか減少傾向。
業績があがらないのは社員の努力が足りないからといわれる。会社の業績が上がれば給料も増やすというが、上記のように一向に業績が伸びない。サービス残業をしてがんばっても基本給はあがらない。(無限ループ)
ああ、永遠なる我が中進国。
早く独立して「自分の王国」を持ちたい。