私の事業は現在、自分の預貯金の元手だけで運用しており、公私にわたり借金はしていません。大きな仕事はせず、一人で可能な範囲の仕事しか手がけていません。
サラリーマンを辞め、独立したときに、どうしても事業の運用資金を調達する必要があると想定すると資金調達に無関心のままではいられません。
個人事業では担保がない限り、真っ当な銀行からの借り入れは不可能です。
自分に有力なコネやお金持ちの親族・友人でもいない限り、創業・開業は夢のまた夢です。そうなるとまず、サラリーマンになって貯金をすることが、開業への早道となります。
サラリーマンなど嫌だという人もいますが、アルバイトや非正規の派遣社員では、ただ生きて生活するだけで給料が消えていきます。貯金などできません。 (体験済みです)
事業内容によりますが、300万円くらいは事業開始資金と当面の生活費に必要です。(飲食店などで店舗を構える場合は、この倍は必要でしょう)
開業するだけでも資金調達(貯金)に苦労するのに、定期収入がなくなった独立後の資金繰りはさらに難しくなります。
どうしても最初は、開業資金を取り崩していくことになります。
そういう話題のときに、必ずベンチャーキャピタルがクローズアップされます。
しかし、ベンチャーキャピタルは将来的に数十億を儲ける事業にしか興味がありません。(そのためにリスクをとっている面もあります)
というか、日本の場合、ベンチャーキャピタルであってもリスクのない事業にしか資金をだしません。何よりもリスクを嫌うのが日本人の民族性です。
その例が、国の補助金で有名大学の研究室から生まれた画期的なロボット技術があっても、日本では誰も資金提供してくれず、米国企業から資金をもらうことになったという事態です。
クラウドファウンディングが最近話題になっています。
maneoなどを、いくつかみてみましたが、融資案件が少なく、類型的でした。
特にmaneoは、少数の企業グループの融資案件だけが繰り返し出てきており、マンネリ化していました。新規事業へのリスク投資はターゲットではないようです。
maneoでは平均7%の利益が貸し手に入ってきます。maneoの仲介料を考えると、借り手の利子は10%~15%位にはなるでしょう。
ちょっとしたサラ金なみの返済負担です。
maneoで借りた資金で順調に事業が軌道に乗っていれば、普通の銀行からもっと低い利子で資金調達ができるはずです。
maneoから抜け出せないということは、当面の返済金に困って、資金集めを繰り返しているだけではないかという疑いがあります。(同一企業で返済期間が半年から一年なのに、突然3ヶ月の短期融資案件が入っているケースが何回かあった)
「これは危ないのではないか」というのが率直な感想でした。
日本全国から資金提供者を集められるのが、クラウドファウンディングの利点だが、返済利子が高すぎると思います。
「人間的な信用」があれば、親族・友人を拝み倒して、もっと低い利子で借金できるはずです。(ここで普段の誠実さ堅実さが試されます)
誰も貸してくれないならば、自分に「信用力」がないと思いましょう。
結局、サラリーマンをして貯金をするのが、最も確実で安心できる「資金調達」であるという結論となる。
全くもって、日本には夢がないなと思います。