私の現在の事業では、まだ収入はサラリーマンとしての月給が大部分を占めています。
しかし、先月は僅かながらFXで収益をあげることができました。
開業届けの事業内容として、「為替証拠金取引」を含めているので、青色申告で売上として記帳しなければなりません。
ここで注意点があります。
FX会社によりスワップの口座残高への反映の仕方が違います。
毎日スワップが口座残高に加算されるFX会社と、ポジションを決済するまでスワップが口座残高に加算されないFX会社があります。
必ず自分のFX口座がどちらなのか確認してください。
FX収入の記帳の仕方は何通りかありますが、どの方法を選ぶかで設定や入力方法が違ってしまいます。
本来ならば、毎日のポジション決済とスワップを全項目入力すべきなのですが、データ化がすすんだ現代では、手抜きができます。
私のお勧めの方法では、上記のスワップの加算方法に気遣うことなく、シンプルに入力できます。
簿記を勉強した方なら、売掛帳や未払帳などの「補助簿」というものがあることを知っていると思います。
まともなFX会社なら、毎月、あるいは1月1日以降の取引レポート(取引報告書)をいつでも参照・ダウンロードできます。
これを「FX取引記録帳」と位置づけして、「補助簿」とすればよいのです。
たとえば、月末締めで毎月FXの収益を入力するとすれば、取引レポートをダウンロードして印刷します。そこには、その月の決済ポジションとスワップを含めた損益が記載されているはずです。(FX会社により相違があります)
印刷したものは、手書きで「平成26年1月のFX取引記録」などとタイトルをつけ、ファイルに閉じていきます。
やよいの青色申告では、当月残高が先月残高より増加した金額を、売上として入力すればよいのです。
会計上は相違がでることはないので、もし税務署の調査が入っても、ファイリングした「FX取引記録帳」を見せれば、文句を言われることはないでしょう。
また、このようにすれば、先ほど述べたスワップの反映のされ方の違いも記帳上は問題なくなります。
少し発想を変えれば、楽をできるのです。
この記帳方法を採用する場合、最初に「売掛金」と「売上高」の補助科目の追加が必要になります。FX会社(FX口座)を「得意先」と見立て、「売掛金」として記帳します。
・売掛金の補助科目にFX会社を追加
メニューバーの「設定」から「科目設定」を選択します。
「賃借科目」のタブを選択して、「売上債権」の「売掛金」を選択して、右クリックします。「補助科目の作成」を選択してFX会社を登録します。
・売上高の補助科目にFX会社を追加
メニューバーの「設定」から「科目設定」を選択します。
「損益科目」のタブを選択して、「収入金額」の「売上高」を選択して、右クリックします。「補助科目の作成」を選択してFX会社を登録します。
月末締めで売上を入力する場合の入力例を示します。
・売掛金の入力
メニューバーの「帳簿・伝票」の中の「売掛帳」を選択します。
補助科目で、FX会社を選択します。
日付は月末日とし、相手勘定科目を「売上高」とします。摘要は「xx月分」とし、売上金額に当該月の収益額を入力します。
・預金口座(FX口座)への売掛債権の入金処理
上記入力では、単に「売掛金という債権」があるという入力をしたにすぎません。預金口座残高には加算されていません。簿記でいう売掛代金の回収処理(入金処理)をする必要があります。
「売掛帳」で日付は月末日とし、相手勘定科目を「その他預金」とし、相手補助科目にFX会社(FX口座)を指定します。摘要は「XX月分の掛代金回収」とします。回収金額に当該月の収益額を入力します。
補助残高一覧などで、残高が正しく加算されたことを確認してください。
ところで、FXはいつも儲かるわけではありません。
損失をだして、マイナスとなることがあります。
その時の入力はどうするでしょうか?
上記の方法はとれません。なぜなら「売上」はマイナスの値で入力してはならないからです。これは簿記の常識のようです。
結論から言うと、先ほどの「売上高」「売掛金」とは逆に、「仕入高」「買掛金」として入力します。
「為替差損」という勘定科目を新規作成し、損失を経費として入力する方法があるそうですが、お勧めしません。決算時の収益の計算がわかりにくくなりますし、FX口座の運用損益を、やよいの青色申告で自動で計算できなくなります。(損失が光熱費や雑費などの経費と同じ扱いになるため)
FXの損失を「仕入高」として入力する場合、先ほどの収益の時とは逆に、「買掛帳」で入力します。
その前に、貸借科目の「買掛金」と損益科目の「仕入高」の補助科目にFX会社を作成するのを忘れないようにしてください。
作成・入力手順は売掛帳の時とほとんど同じです。