開業費とは、開業日以前に開業のための準備のために購入・支払したものの経費です。
これはやり方しだいで、便利に使えます。
開業費は開業初年度に経費として償却せず、期限のない任意の年度で任意の金額だけ償却することができます。黒字の年度で償却すれば、税負担の軽減ができるのです。
開業初年度は事業は赤字であることがほとんどで、どうせ経費計上するなら黒字の年度でしたほうがよいでしょう。
事業のために用意した機械類(10万円以内に限る。それ以上は固定資産として償却する)・広告費・接待費などを開業費としておけば、黒字になったときに償却して税額を抑えることができます。
ただし、開業日前までの開業準備費用の支払についてのみが、対象であることに注意しましょう。
もちろん償却するときまで、開業費として分類したものは領収書を取っておかなければなりません。
初年度が黒字なら、その年度に償却すればよいのです。
やよいの青色申告での入力は、3ステップになります。
・開業日付での仕訳日記帳への入力(振替伝票で入力する方法もあります)
メニューバーの「帳簿・伝票」を選択し、「仕訳日記帳」をクリックします。
開業日の日付で、借方勘定科目で「開業費」を選択し、貸方勘定科目は「事業主借」(開業前なので通常ポケットマネーからの支払であるため)と入力します。「摘要」に接待費などの経費の名称を入力します。
・開業費の固定資産一覧への登録
メニューバーの「拡張機能」の中の「固定資産管理」から「固定資産一覧」を選択します。固定資産一覧画面の「新規作成」ボタンをクリックすると、登録画面が開きます。
「原価償却資産の名称」を入力し、「勘定科目」に「開業費」を設定します。
「面積または数量」に購入数・量を入力し、「取得年月日」に開業日を入力します。「取得価額」に金額を入力し、「償却方法」に「任意償却」を設定します。最後に「本年分の償却費合計」(任意償却なので現時点では0円でも可)を入力して、登録します。
・決算時の繰越資産償却(開業費から費用への振り替え)
開業費を償却したい年度の決算時に、「減価償却費」として処理します。
会計上、本来は「開業費償却」となるべきですが、やよいの青色申告の標準の勘定科目にはありません。勘定科目を作成するほどでもなく会計上の差異もありませんので、減価償却と同様に処理します。
固定資産一覧画面で今年度に償却したい開業費項目を開きます。
「本年度分の償却費合計」に償却したい金額を入力して登録します。
「仕訳書出」ボタンをクリックし、「本決算仕訳として書き出す」でOKボタンをクリックします。
借方が「繰延資産償却」、貸方が「開業費」で振替伝票が作成されます。金額を確認して登録すれば終了です。