青色申告をするためには、まず開業資金の管理をしなければなりません。
ここでは、「やよいの青色申告14」を例にして説明します。
事業運営に必要な資金は、私の場合、次の3種類あります。
・普通預金口座(事業用新規のもの)
給与所得や個人用クレジットカードの引き落としとは、別に口座を作りましょう。
生活用と事業用を混合していると決算時に残高を合わせるのが難しくなります。
預金口座は「事業専用の口座」を用意すべきです。
現在はマネー・ロンダリング規制のため、同一銀行で個人が二つの普通口座を持つことはできません。事業用はネット決済やネット振込みに強い、大手都銀にするといいでしょう。
クレジットカードも事業決済用の新しいものを作るべきです。サラリーマンの今なら確実に作れますが、「自由業」になると保証人がいないと作ってもらえません。それどころか拒否されることもあります。
・事業用現金
ここでいう「現金」とは事業所得・経費清算・お釣り用の現金であり、生活用の現金ではありません。簿記の勉強をされた方なら「小口現金」をご存知のはずです。
キャッシュレジスターなどで、現金の補充作業をしているのを見たことがあると思います。それと同様に、事業用の現金を手元にプールし、現金取引に使用します。
当然、お釣りのことも考えて、1円玉や100円玉など金種を考えて、手元にストックする必要があります。
青色申告では、事業用の現金と生活用の現金(自分の財布の中身)は厳密に区別しなくてはなりません。
・FX口座、及び証券口座
私はFX専業ではないですが、事業の一部として為替証拠金取引で収益を上げています。当然、FX口座と証券口座も開業時資金として入力しなければなりません。
以上の「普通預金口座」、「現金」、「FX口座・証券口座」を、やよいの青色申告に入力する必要があります。
私は、1月1日開業ですので、1月1日時点の口座残高と現金を入力します。
メニューバーの「設定」で、「科目残高入力」を選択します。
「資産」項目の中に「現金・預金」があります。この中の各項目に入力していきます。
・事業用現金の入力
事業用現金の金額を、「現金」項目の「前期繰越残高」に入力します。
(入力後、科目残高入力画面を閉じるときに、「貸借バランスの差額を元入金に集計します」というメッセージが表示されますが、「はい」をクリックして問題ありません。開業時の資本金を変更しているので、「元入金」の金額をやよいの青色申告が自動計算してくれます。画面内の「貸借調整」ボタンを押しても集計できます)
・事業用の普通預金口座残高の入力
まず、やよいの青色申告に貸借科目としての口座を作成しなければなりません。
メーニューバーの「設定」で「科目設定」を選択します。
科目設定画面が表示されます。「貸借科目」と「損益科目」の2つのタブがありますが、今回は「貸借科目」を選択してください。
「資産」の「現金・預金」の中の「普通預金」を選択して右クリックします。
メニューの中の「補助科目の作成」を選択します。補助科目名に銀行名を入力して登録します。
次に、開業時点での口座残高を入力します。
メニューバーの「設定」から「科目残高入力」を選択します。
「現金・預金」の中の「普通預金」を選択します。
先ほど補助科目として登録した銀行名が下段の一覧に表示されますので、そちらの「前期繰越残高」に開業時点の口座残高を入力します。
・FX口座、及び証券口座の残高入力
基本的に上記の銀行口座の残高入力と同じ手順となります。
ただし、「現金・預金」の中の「その他の預金」に補助科目を作成する点だけが違います。
全ての残高の入力が終了したら、科目残高入力画面の「貸借調整」ボタンをクリックしてください。元入金を集計してくれます。
この金額が開業時資金の合計金額とあっていれば終了です。